2005年09月21日

アジアのキュビスムーアジア近代絵画を見られる貴重な体験ー

アジアキュビズム竹橋の東京国立近代美術館で8月9日から10月2日までアジアのキュビスムが開催されている。セザンヌに始まり、ブラック、ピカソにより発展を遂げたキュービズムがアジアの美術界にいかに影響を与えたかという貴重な展覧会だ

20世紀初頭、ピカソとブラックが共同生活をし、同じ主題について描いた作品を並べるという興味深い展覧会を1990年初頭MOMAで見る機会があった。MOMA、グッゲンハイム、ポンピドー、どこでも見られるキュービズムだが、キュビズムを冠した展覧会を見るのはそれ以来かもしれない。仮面などアフリカ美術にセザンヌと同じぐらい影響を受けたこのヨーロッパ人の二人の興した運動が、アジアにまで伝播するとは興味深い。ただし、アジアに伝播したのは日本、中国を除くと1900−1910年代に遅れること数十年たってから、植民地からの独立後だそうだ。アフリカ文化はアジアにはヨーロッパと比べるとなじみづらいのかも知れない。

日本や中国の画家がヨーロッパのキュービズムを忠実に再現しているのに対し、東南アジア、南アジア、韓国の作家は独自の様式を確立しているのが興味深かった。例えばスリランカのキートやインドのサバワラは直線で分割する本来のキュービズムに対し、曲線を多用している、アラベスク模様の影響だそうだ。韓国のキム・スは透明キュビズムと呼ばれる対象のうえに半透明な幾何学的な模様をかぶせる方式を作り出した。いずれも素晴らしい作家に思えた。マレーシアのチィア・ユーチェン、韓国のキム・ギチャン、キム・ファンキなどは東洋画の伝統である極端に横長の構図と平面性を取り入れている。

ほかにもマレーシア、シンガポール、インドネシアの画家たちの風土を現す大胆な色使いの作品に心を惹かれた。添付の作品はインドネシアのアフマッド・サダリのセントラル・パーク。

この展覧会には日本で著名な画家の作品はひとつもない(東郷と1点づつ飾られたピカソ、ブラックを除くと)。そのためか、非常にすいていてゆっくり鑑賞できた。アジアを旅行するとき以外にアジアの絵画を見るチャンスもあまりないし、せっかっくアジアに行っても地元の美術を鑑賞する人は非常に少ないだろう。リゾート地としてのアジアではない、アジアのほかの面がこの展覧会で見えてくるかもしれない。


cornell5553 at 20:19│Comments(1)TrackBack(1)美術評論 | 美術評論

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1. 「アジアのキュビスム展」  [ 弐代目・青い日記帳 ]   2005年10月05日 16:54
東京国立近代美術館で、2日まで開催していた 「アジアのキュビスム展」ー境界なき対話ーに行って来ました。 「ゴッホ展」のようなメジャーな作家の展覧会とは ある意味対照的な存在の今回の展覧会。 こういったどう考えてもお客さんが集まりそうにないですが 観...

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1. Posted by buy tramadol   2006年04月18日 23:06
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