2005年07月07日

ナショナル・クライアントの本格参入はいつか?

昨日の7月6日付け日経の11面”メディア奔流”というコラムに面白い記事があったのをご覧になられただろうか?ホンダの宣伝販促部が広告代理店の営業マン向けに”インターネット広告の活用法”をテーマにした研修を実施しているというものだ。本来なら広告に精通しているはずの広告代理店の営業担当社員がなぜクライアントの主催する研修をうけているのか?インターネット広告への提案が十分でないことへのホンダの不満の表れのようだ。
 
大手広告代理店の社員はインターネット広告への理解が、旧メディアであるテレビ、ラジオ、雑誌、新聞に比べ低いそうである。さらに大手の広告代理店は、現在インターネット広告には、子会社を主に活用している。そして、ホンダのようなナショナル・クライアントはインターネット広告代理店ではなく、大手広告代理店が主に扱っている。その結果、ナショナル・クライアントにおいては、広告費の旧来のメディアへの振り分けが大きくなってしまう。これに不満で、広告代理店営業担当へインターネット広告の活用法研修を実施するという奇妙な事態が起きたらしい。”ホンダの最新意識にあった(インターネットも含めた)プロモーションを提案できるようになってほしい”という目的だそうだ。
 
さらにこの記事によると、日産の新車”ムラーノ”の来店顧客の5割弱がネット経由だったそうで、大企業(ナショナル・クライアント)がネットの威力に気づいてきているそうだ。最近読んだある記事でも、米国においてもかつては新車販売の際、テレビ中心の、全ての人を対象としたマス広告を打つのが主流だったそうだ。しかし最近では、新車の認知度を上げるために初期段階ではテレビを中心に全ての人を対象としたマス広告を打つが、次の段階ではネットを含めた、ターゲット層を定めた広告へシフトしていく傾向にあるとのことだった。
 
現在ナショナル・クライアントのネットへの広告出稿はまだまだ低い。まして検索連動型広告への出稿は非常に少ない。この日経の記事にあるように、ナショナル・クライアントのネットへの関心が増大しているのは素晴らしいことだ。さらにDVDレコーダーがベストセラーとなっているように、テレビ番組を録画し、CMをスキップする層は確実に増えてくる。テレビを中心とした旧メディアからネットへのシフトが進んで欲しいものだ。
 
検索連動型広告のブランド効果も認知が上がれば、ナショナル・クライアントの出稿も徐々に増えてくるのではないか?その日が待ち遠しいものだ、そんなに遠い日ではないかもしれない。
 

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1. 万博が終わったあと、真のビジネスチャンスが来るな・・・たぶん  [ 地方広告代理店の社長ブログ ]   2005年07月08日 09:09
いま名古屋は相当景気が良いみたいです。会う人会う人みんな口をそろえて言いますもん、きっとホントに景気いいんでしょう。うちの会社もまあまあ景気がいいかな。なんせ営業がラクですからね、いま。万博があるから新しい広告は必要ないってことらしいです。とにかくカンタ.

この記事へのコメント

1. Posted by okada   2005年07月08日 09:08
お世話になります。岡田です。
ご指摘のとおり旧メディアを扱ってきた広告代理店はネットの知識が不足しています。ナショナルクライアントに限らず、クライアントの方が詳しい場合も少なくありません。しかし、来年には状況が変わると思います。(広告代理店も)もう格好つけてはいられないはずですから。
※ブログ移転いたしました。今後とも何卒宜しくお願い申し上げます。また、キーワード広告普及について関連のある記事をTBさせていただきます。
2. Posted by okada   2005年08月01日 17:36
どうもコメントありがとうございました。岡田です。

地方では、特にキーワード広告の場合は1クリック○円とか言っただけで、過剰なまでに拒否反応を示す広告主の方が多くいらっしゃいます(高く感じるみたいです)。印刷でも何でもそうなんですが、グロスでものを考える癖がついているというか・・・。いっそのこと例えば「1万回クリックされるまで掲載され続ける!ズバリ20万円!」とかで販売した方が買ってくれるかもしれません。
それと、クリックされなければ0円で広告が出せている革命的な部分を、もっとクローズアップさせなければならないと思います。地方では広告担当者=経営者の場合が多いので、「課金」とか「請求」とかいう言葉にきっと恐怖感を感じるんです。なので、「クリック課金型のキーワード広告」と呼ぶのはやめて「クリックされなければ無料型のキーワード広告」とかどうでしょうか?

今後の課題とします。

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