2005年05月24日

カエターノ・ヴェローゾー現代最高のラテン・アーティスト・ライブー

カエターノカエターノを知ったのは、今から15年ぐらい前、トーキング・ヘッズのリーダー、デビット・バーンによるMPBのオムニバス版”beleze tropical”でそこに収められた名曲”Terra”と”Queixa”は今でもお気に入り明るい、思わず口ずさみたくなる名曲だただ、その頃はカエターノよりもシコ・ブアルキにのめり込んでいた。カエターノを本当に好きになったのは7、8年前ぐらいからで、DVDも3枚、CDもそれ以降の作品はすべて(7、8枚ぐらい)持っている。現在では最も好きなアーティストだその表現力が豊かな、艶のある声は本当に心に染み入ってくる男性ボーカルの中では、かつてインドの2等列車で聞いた盲人の声、絶頂時のパバロッティと並んで私の中では最高位にランクされている一番記憶に刻み込まれたという意味では、南インドの列車の中でたった一人で、ホテルも予約しておらず、夕日が沈んでいくという状況で聞こえてきた、天使のような歌声、神様が生きていくために視力の代わりに与えたんだろうという盲人の声が、もちろん原体験として鮮烈ではあるが、それに劣らないぐらいに、私の心にはずーと残っている歌声だ”音楽には言葉はいらない”とは、こうした英語圏以外のアーティストが証明してくれているのではないか?歌詞が分からない人にも訴えかけてくるものを持っているわけだから

声の質自体と表現力、その両方が素晴らしいことがもちろんベストだが、どちらかというと、表現力こそが何十年のキャリアを築いていくアーティストと、すぐに消えてなくなっていくアーティストとの差別化要因だろうスタンディング・オベーションが起きるか、起きないかの違いは、技術点(演奏者ならテクニック、歌手なら声)ではなく、芸術点(表現力、こめる思い)ヒラリー・ハーンは表現力がもちろんあるが、どうしても”若いわりには”という接頭語がついてしまうそのため、先日のリサイタルでは、残念ながら聴衆の感動を奪えず、スタンディング・オベーションにまでは至らなかったのだろうカエターノはもちろん、スタンディング・オベーションとブラボーの嵐だった

カエターノも今年63歳、DVDで見られる軽快な独自の踊りや、つやのある歌声は残念ながら、消え去っていた。8年前のライブにいけなかったのが悔やまれるしかし、その表現力は健在である声も最初はかすれていたが、徐々に艶が蘇り、80点というところまでは戻ったという感じだった。英語の曲はラブミー・テンダー以外はまあまあ、やはりポルトガル語のものが心に響いてきた。最初にカエターノを知った上記の2曲でライブが締めくくられたのも、感動だった

この1週間、車の6連奏CDもすべてカエターノ週末には3枚のDVDを見直した面倒くさがりの私がここまで準備してライブに行くことはありえない最も好きなアーティストのライブに行けて最高に幸せだったといいたいところだが、仕事のほうで厭な事があり、そういう気分にはなれなかったやはり、こっちがよければ、あっちが悪いのが人生ですよね、世の中そんなに甘くない

プライベートでいい思いできたので、明日からも仕事頑張ります


トラックバックURL

この記事へのトラックバック

1. カエターノ revenge (本人遭遇!)  [ Muss es sein? ]   2005年06月03日 03:05
一昨日のコンサート後、あまりの欲求不満から 勢いでチケットを買ってしまった今日のコンサート。 行ってよかった!!! ヴィヴァ、カエターノ! 奇跡の歌声を心から満喫してきました。 世の中には聴いた人の脳内に α波を出させる声の持ち主がいるそうです

この記事へのコメント

1. Posted by chakita   2005年06月03日 03:23
こんばんは。TBを辿って参りました。

カエターノ、本当に素晴らしかったですよね!
私も「カエターノ後遺症」から抜けられません。
(CDがループでかかってます。笑。)

今から思い出すと、
観客席から非常に濃厚なリスペクトが
溢れ出ているのも印象的でしたねー。
あれだけの多くの人たちを「ありがとう!」とか
「自分たちはなんて幸せなんだろう!」という気持ちで
一杯にさせるられる人が世界に何人いるだろう…。

ヒラリー・ハーンの演奏会も行ってらしたんですね。
なんだか趣味が合うようで嬉しかったので(笑)
私もTBさせて頂きました!また遊びに来まーす。
2. Posted by ツイッター   2010年04月09日 10:40
いいなぁ^^
私も楽しいブログを目指して
今年は頑張ります^^
応援しているので更新頑張って下さいねぇ^^

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔