2005年04月28日

尼崎脱線事故ー商業主義から安全第一主義への教訓となれ−

25日に起きた尼崎の列車事故の犠牲者が100人を超えそうとのことだ。当然のことだが、日本国民全てが、遺族の方々に心からお悔やみを申し上げたいという気持ちで一杯だろう。しかし、同時にJR西日本に対して怒りを感じている方も少なくないであろう。
 
今回の事故については複合要因でおきた訳で、事故の真の原因究明には時間がかかるとマスコミは火消しに躍起(?)だが、多くの人々が原因の一つは23歳の運転士にあったと考えていることは確かだろう。1.車掌時代の2度のミス、一つはブレーキをかけることを指示すること忘れたというもの。もう一つは目が虚ろだと指摘されたというもの。そして昨年5月に運転士になりたての6月に起こした100メートルものオーバーラン。この3つから想起される不安は、果たしてこの運転士の精神状態は正常だったのかという疑問だ。目が虚ろだと乗客に指摘されただけで処分を受けること自体がまず理解し難い。それだけで処分したということは、何か目が虚ろになる原因をJR西日本当局が認めていたということにはならないだろうか?目を虚ろにさせるものとして瞬時に思いつくのは、精神的な病、薬、酒の3つであろうか。そしてこの3つは全て精神を麻痺させ、瞬間的な判断力を低下させるものだ。車掌時代の指示ミス、オーバーランにつながってくるわけで、やはりこの精神的な病、薬、酒などにより、この運転士の瞬間的な判断能力が低下し、こうしたミスが起きたと想起される
 
問題は、なぜこうした車掌時代に2度も処分されたこの運転士を昨年5月に運転士にし、さらに6月のオーバーランの後も処分期間が過ぎた後に運転士を続けさせたかということだ。マスコミによると国鉄民営化による採用抑制で若い運転士に頼らざるを得なくなり、教育が行き届いていないためこうしたミスが起きたという。しかし、問題なのは教育をうけていない若者にあるのだろうか?私はそうは思わない。若くても優秀で、ミスをおかしておらず、ミスを犯す不安を感じさせないのなら問題ないのではないか?問題なのは年齢ではなく、この運転士の誰にも不安を起こさせる過去の経歴だ!!
 
かつて逆噴射という流行語を生んだ羽田沖墜落事件というのがあった。私は今回の事故の記事を読んで、すぐにこの事故との類似性に思い至った。この事故を起こした機長は若者ではない。ベテランである。しかし、精神状態が安定していなかった。私の記憶が正しければ、その大惨事を引き起こす前にも、パイロットとしての適性不足が指摘されていた。しかし、会社は温情で彼にパイロットとしての仕事を続けさせた。そのことが事故につながった。
 
今回の運転士も明らかに運転士としての適正があるとは言い難い。この大惨事の直前の停止駅でもにも40メートルのオーバーランを犯している。私が駅員だったら、その時点でその運転士を運転台から引き摺り下ろし、運転をやめさせるだろう。この運転士は以前にもオーバーランを引き起こしている問題運転士なのだから。車掌が行ったことはこれと正反対で、40メートルのオーバーランを隠蔽し、6メートルと報告することだった。隠蔽行為が許されないことは、最近起こった自動車メーカーの件で周知されていると思っていたが、残念ながらそうではなかったようだ。
 
パイロットにしろ、運転士にしろ人の命を預かっている仕事である。温情主義で部下をかばうなど言語道断である。部下に厳しくするのはできれば避けたいし、飴ばかりを上げたい気持ちはもちろん分かる。しかし、こうした命を預かる職場では許されることではない。こうした部下への迎合と、私鉄との競合による商業主義が重なり合って今回の大惨事が起きたのではないか?
 
交通機関に求められるのは利便性もあるが、安全が第一である。余裕をもった安全第一のダイア組み換え、安全を最重視した車両導入、そして安心して命を預けられる職員による運営体制が求められている。
 
 

cornell5553 at 12:26│Comments(3)TrackBack(3)社会評論 

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1. 電車脱線、マンションに突っ込む [4/28続報追加]  [ 備忘録 ]   2005年04月29日 00:52
 尼崎電車脱線事故について、事故発生直後の25日から現時点(4/28 12:30)までの報道を追っています。 25日12:00時点  25日午前9時20分頃、JR福知山線塚口―尼崎駅間の第一新横枕踏切付近で電車が脱線し、マンションに激突した。事故電車は全車両が脱線し、特に先頭
2. JR福知山線脱線事故  [ Akira's VOICE ]   2005年04月30日 16:54
日常が断ち切られる悲しみに満ちた痛ましい事故でした・・・ 被害者の方の御冥福をお祈りいたします。
3. 尼崎列車事故と近代スポーツ  [ 多摩レイクサイド・スポーツ ]   2005年05月10日 19:49
 先月の25日、尼崎で107人もの命を奪う列車事故が起こった。この事故に関する報道がなされるにつれ、JR西日本の「異様」ともいえる実態が浮かび上がってきた。ミスをした運転士への人格否定とも取れる日勤教育。上司に意見することすら出来ない企業風土。事故そのも

この記事へのコメント

1. Posted by Moebon   2005年04月29日 00:53
まったくもって同感です。
安全と引き換えになるものは何もありません。
この事故の場所からすぐ近くに知人が住んでいて、当時自宅にいた彼女は、ものすごい音の後に悲鳴が聞こえ、今でもその悲鳴が耳から離れないそうです。

お亡くなりになった方や事故に遭遇された方々に対し、言葉もありません。。。もう元には戻れないのです。

私も、とても他人事とは思えません。



2. Posted by fiji   2005年04月29日 17:36
悲鳴が耳から離れないっていうのは大変なことですよね。しかし、運転手が不足してるのか、温情なのか,この運転士をなぜ使い続けたのか理解に苦しみます。
3. Posted by koba   2005年04月30日 01:04
場を履き違えているのは分かっていますが、ご了承ください。

とりあえず、僕のブログを見て下さい。
このブログに比べればレベルははるかに下だと思います。しかし、僕の存在を知ってもらいたいのです。これからも質のいい投稿が出来るよう頑張るつもりです。

「勉強」というよりは「学問」にはまりつつある、一人の高校生です。

http://blog.livedoor.jp/koba719keio_rebelcorps/

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