2005年03月18日

映画”舞台よりすてきな生活”ーL.A.のイギリス人ー

舞台よりすてきな生活ケネス・ブラナーの新作は、スランプに陥った子供嫌いのイギリス人の戯曲家が、よりによって子供との交流により新しいスタイルを見つけ、スランプを克服するというハートフル・コメディ自らも脚本を書き、舞台に長く関わってきた彼にまさにぴったりの役子供嫌いのピーターが、ロビン・ライト・ペン演じる子供を欲しい妻の策略で、脚の不自由な向かいに越してきた少女エイミーを紹介される。最初は会うのも嫌がっていたピーターが、戯曲に必要な子供の気持ちを理解するために彼女に近づく。そうしたよこしまな心で近づいたピーターだったが、次第にエイミー(親が別居していて父親がいない)と本当の親子のような交流を深めていくその中で起こるいろいろな事件をエピソードとして進行する、本当に愛すべき、心温まるコメディ映画

この映画で笑えるのは、やはりイギリス人であるピーターが、L.A.になじめずに悪戦苦闘するところ煙草を自宅で吸ってて、家政婦に叱られるシーンなど”なぜ自分の家で煙草を吸えないんだ”というイギリス人のアメリカ人への風刺が伝わってくる愛犬家が多いアメリカで、ほえてうるさい隣人の犬を、”うるさくて眠れないから殺してやる”といったジョークは受け入れられず、それどころか殺された犬の”殺犬者”として投獄までされてしまうピッキーなピーターにとって、隣人付き合いの大切なアメリカでの生活は苦痛に近い、特に子供との付き合いは

こうしたアメリカで生きていく上での問題点も、エイミーとの交流で克服されていく。子供のような純粋な心を持ったピーターは、子供であるエイミーにより大人になっていくのが微笑ましい

L.A.に移住したイギリス人の芸術家としてはデビット・ホックニーが有名だ。風刺好きで、すぐにイギリスと比較して”アメリカは変だ”と言い張る、典型的なイギリスの知識階級であるピーターのような人物が、文句をいいながらも西海岸を目指すのは、やはりそれだけ気候に惹かれるということだろうかホックニーの絵もイギリス時代は非常に暗く、重かったが、L.A.に移住後は、ご存知のように非常に明るくなった

イギリス文化とアメリカ文化の違いを知る上でも、おすすめの一本だ


cornell5553 at 16:27│Comments(0)TrackBack(1)映画評論 

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1. でかくても軽い〜この現実  [ ホテル・・その真実 ]   2005年03月20日 16:58
こんにちは。 ホテルビジネスを真面目に斬っています。 よろしかったらぜひ読んでみて下さい。 お邪魔の御礼にクリックご協力させていただきました 笑。

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