2005年03月15日

ホリエモンは織田信長かー既得権力への挑戦ー

信長先日テレビ東京のWBSで、堺谷太一氏が 、ホリエモンについて聞かれ、”どの時代にも織田信長のような人が必要だ”と話されていた。既得権にしがみつく旧体制と戦い、時代を変えるという意味では、まさに織田信長といえよう。
 
戦国時代も既得権益を持つ多くの勢力が、その権益を当たり前のものとして、横暴を振るっていたのは周知の事実である。信長はそれを嫌った。寺社勢力のうち、横暴なものは排他し、キリスト教の宣教師の意見も聞きいれた。ただし、寺社・仏閣をすべて否定したわけではない。祈りにより民に喜び・安心を与えるべき寺社が、僧兵をやとい、武に走ったのをとがめただけである、信長はキリスト教徒ではない。特権的な商人の既得権を無視し、楽市・楽座も行った。その結果、民衆は、宗教も、商品も選択肢が増えた。既得権益を持つものには疎まれたが、持たぬものには歓迎された。信長はご存知のように本願寺で倒れ、その後の260年の天下をとったのは徳川である。信長が天下をとったら日本はどうなっただろう?海外との交流により、西洋の文化、医術、技術が導入され、日本本来のものと融合し、あらゆる面で日本はすばらしい発展をとげたであろう。日本人だけでなく、西洋人、中国人などが道を行き交い、京は文字通りの世界都市になったのではないだろうか?仏教、キリスト教、神道と宗教も多岐に渡ったであろう。そうした世界が実現され、鎖国の失われた200年がなかったら、現在の日本はどのようになっていたのだろう?想像もつかない夢物語である。
 
信長が去って400年後の現在の日本にも、鎖国時代に似た閉塞感が漂っている。日本市場にのみしか通用しないルールがはびこり、世界で通用しているルールを無視して生きる、国内市場にのみ依存した世界が存在している。このいわゆる護送船団と呼ばれてきた、政府により既得権益を守られてきた業界にとって、そこに風穴を開けようとするホリエモンは脅威である。フジテレビだけでなく、政財界を巻き込んでのライブドア包囲網は、足利義昭が武田、朝倉、本願寺などと組んだ信長包囲網を彷彿させる。 
 
ホリエモンが目指しているインターネットと放送との融合、視聴者の意見を取り入れるというビジョンが分かりずらいというが、果たしてそうだろうか?現在の放送業界は残念ながら、視聴者の意見を取り入れた番組制作をしているとはいえないだろう。ホリエモンは視聴者の意見を取り入れた番組制作をしたいといっている、その手段が双方向性と瞬間性という強力な武器を持つインターネットであろう。例えばお隣韓国では、ドラマに関しての意見を出し合うインターネットコミュニティがあり、そこでの意見が取り入れられ、ドラマの筋書きが変更されるという。これこそお客様の意見の反映という、すべての業界で共通した命題を、インターネットという手段で実現している好例ではなかろうか?インターネットの双方向性、瞬間性がなければ、グループインタビューなどを用い、結果を分析するという旧来の手法では、非常に時間もかかるし、サンプル数も少なく、正確な分析に通じるかどうか定かではない。その不十分な分析結果を、次回のドラマ作りに反映しようというのが、せいぜいであろう。
 
放送は公共性がある、青少年への影響力も大きい。もし私のような一個人の意見が反映されるのであれば、マナーを直す、他人に迷惑をかけるのはよくない、ゆとり教育、競争のない教育は競争社会になじまないなどの、社会性のあるテーマのドラマを作成してほしい。それを青少年に人気のある俳優に演じさせ、マナーが悪いのは全くいけていないなどと青少年に思い込ませる。これより効果のある教育法があるだろうか?しつけをしない家庭が増え、教師のいうことを聞かない生徒が増えている中、ゴクセンのような番組を、しかも人気脚本家の押し付けではなく、インターネットを使った双方向性により視聴者の生の声をとりいれながら作ることができたら、世の中も変わるかもしれない。
 
日本を変える力が放送にはある、そのためには、ごく少数の放送作家、芸能プロダクション、芸能人などで構成されている現在の体制に、視聴者の声をどんどん取り入れていく必要があるのではないか?ホリエモンの登場に、拒否感を表明するだけではなく、現在の体制への危機感を放送関係者が抱いてくれれば、歴史は変わるだろう。信長が楽市楽座で商品の選択しを広げたように、ホリエモンの双方向性を実現した放送が実現されれば、視聴者の選択肢も広がるだろう。現在の放送は楽市楽座以前の市と一緒で、特色が少ないのだから。
 
どの局を見ても、でている俳優も、ドラマの内容も大して変わらない。なんの予備知識もなく4月からの連ドラを見て、”これは絶対フジテレビの番組だ”と言い切れる人などいるのだろうか?一つぐらい他とは違うことをやるラジオ局やテレビ局があってもよいのではないか?
 
今回の騒動により、TOBとか、新株予約権とか、経済問題に詳しくなったと語っている人が数多く存在する。さらに、ホリエモンの投じた一石により、放送業界も変わる可能性がある。結果がどうなるにしろ、今までのやり方でよいのか、真剣に考えざるを得ないだろう。これだけでもホリエモンの果たす功績はおおきいのではないだろうか?
 
 

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1. よくもまあ飽きずに飽きずに・・・  [ ナムさんの雑文集 ]   2005年03月16日 18:57
ライブドアに関する話です。 家に帰ってRSSリーダーをチェックしたらまず50%議決権越えがニュースとして流れ、しばらくした後にニッポン放送の異議申し立てを却下のニュースが。割とこの件には飽きてきました(ぇ 他にも村上ファンドの保有率が明らかになったりとワイ
2. 織田信長  [ [TW] HOTWORDS ]   2005年06月23日 22:02
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